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働き方改革とは?制度の内容や現状の課題、具体例を簡単に解説!

耳にすることが多くなった「働き方改革」について、正しい理解を深めることはできているでしょうか。従業員を抱える企業において、働き方改革の理解及び対応は必須といっても過言ではありません。

しかし、いざ働き方改革について理解を深めようにも、知っておくべき内容が多く「何から情報収集したらいいのか分からない」と悩むケースが少なくありません。そこで、今回は現場が知っておくべき働き方改革の概要や重要ポイントなどについて、詳しく解説していきます。

働き方改革とは?

まずは、「働き方改革とはどのような取り組みなのか」について詳しく解説していきます。「なんとなく想像しにくい…」と悩んでいる方は、以下の概要を参考にしてみてください。

「一億総活躍社会」の実現に向けた改革

働き方改革とは、日本国民の多くが社会で活躍すること、及び少子高齢化が進む日本において50年後も人口1億人以上を維持することを目標として掲げられた改革です。具体的には「一億総活躍社会の実現」を意味していて、首相官邸「働き方改革の実現」においても、上記の内容が明記されています。

人口1億人以上を維持しながら、国民が職場や家庭、地域などで活躍できるような社会にすることを目指す改革といえるでしょう。

生産年齢人口の減少に対応するための改革

働き方改革は、生産年齢人口の減少に対応するための改革でもあります。少子高齢化の深刻化が話題になっていますが、同時に問題視されているのが「生産年齢人口の減少」なのです。

内閣府の発表によると、2013年時点では、そもそもの人口がおよそ1億2000万人でしたが、2030年には1億1000万人、2060年には8600万人程度まで減少すると見込まれています。

人口そのものが減少することで、結果的に生産年齢人口も下がることが予想されるわけですが、こうした生産年齢人口の減少に対応するため、働き方改革の各取り組みがあるのです。

長時間労働の改善を目的とした改革

働き方改革が発足された背景には、「長時間労働」の問題が挙げられます。残業や休日出勤などによる長時間労働は、労働者の心身の健康を損なう原因であるうえに、労働者それぞれの家庭環境に問題が生じてしまうとして懸念されている常態です。

実際、長時間労働が原因で過労死に至ったり、精神的な病気・疾患を招く事態に陥ってしまったりと、さまざまな影響が生じている状況です。

日本は海外の各刻と比べても労働時間が長い傾向にあり、国際社会からも「労働者の幸福度が低い」として問題視されています。

ちなみに、長時間労働の影響は、必ずしも労働者だけに及ぼすものとは限りません。長時間労働の影響で従業員数が減少することで、企業の人手不足を招く恐れがあります。企業の存続や生産性などにも影響するため、企業は自社のためにも長時間労働の改善を視野に入れる必要があるのです。

生活や労働に関する多様化に対応するための改革

働き方改革が生まれた背景には、「多様化への対応」があります。生活環境や労働環境などは、一昔前と比べてずいぶんと多様化が進んでいると感じられるのではないでしょうか。

実際、生活環境においては、家族構成や住む場所、ライフスタイルなどが人それぞれ大きく異なりつつあります。

労働においても、かつては正社員であることが基本でしたが、現代では非正規雇用やフリーランス、副業・複業など、さまざまな働き方が生まれている状況です。

こうした多様化に対応するためにも、働き方改革は重要視されているといっても過言ではありません。

働き方改革が生まれた原因である「現状の課題」について

働き方改革が生まれた背景を見てみると、日本国内ならではのさまざまな課題が影響していることが分かります。ここからは、働き方改革が生まれた原因といえる「現状の課題」について見ていきましょう。

長時間労働の常態化・深刻化

働き方改革が生まれた原因として、まず挙げられるのが「長時間労働」です。日本は、世界でも屈指の「勤務時間の長い国」として知られています。あまり知られていませんが、2013年の時点ですでに国連から是正勧告があるほどで「日本の労働者の多くが長時間労働に従事していること」が問題視されていました。

残業や休日出勤が当たり前といった認識が、日本の社会に蔓延していたのが大きな問題といえるでしょう。また、残業や休日出勤に対して積極的な姿勢を見せることが、昇進や待遇の向上につながるといった認識も、長時間労働が深刻化する原因とも考えられます。

いずれにせよ、長時間労働は日本における深刻な問題であり、働き方改革で改善していくことが現代では求められているのです。

非正規社員と正規社員の待遇格差

働き方改革が生まれた背景には、非正規社員と正規社員の待遇格差が挙げられます。給与で見ても非正規社員は正規社員の6割程度である傾向にあり、世界的に見ても低い水準です。実際、欧州のケースでは非正規社員の給与は正規社員の8割の賃金が相場であるため、日本特有の傾向であると考えられます。

とくに、日本の場合は育児や介護の問題も根強く、「正社員では育児と両立ができない」「親の介護のためにも時短勤務をしたい」といったニーズにより非正規を選ぶ傾向にあります。

非正規社員と正規社員の待遇格差が改善されないと、不本意に非正規を選ばざるを得なかった労働者の生産性に影響する可能性が考えられます。結果的に、生産性が制限されてしまうことで、企業の成長機会を逃すきっかけにもつながるでしょう。

高齢者の就労割合の低さ

高齢者の就労割合の低さは、現代の日本が改善すべき問題の一つです。内閣府が2017年に実施した調査によると、現時点で日本で働いている高齢者の半数弱が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答しているといった結果があります。

つまり、高齢者には働く意欲があるため、働く環境が整備できれば、生産年齢人口や生産性を向上できると考えられるのです。

高齢者の就労を促進するための施策として、近年注目されているのが「高齢者と企業のマッチング支援」や「継続雇用延長」「定年延長」などです。心身ともに健康であり、働く意欲のある高齢者は今後もますます増えていくと考えられます。

高齢者の活躍の場を設けることができれば、結果的に人手不足の解消や社会全体の幸福度・満足度の向上につながるでしょう。

「2024年問題」の対応

働き方改革が生まれた原因ではないものの、「働き方改革が生まれたことで生じる課題」が存在します。それが、「2024年問題」です。

2024年問題とは、時間外労働の制限によって生じる影響のことであり、長時間労働の規制によって人手不足が深刻化する恐れがあります。とくに懸念されている業界が物流業界や運送業界です。

もともと人手不足が深刻といわれる業界ではありますが、長時間労働が制限されることで、物流が配送状況に影響が生じてしまう恐れがあります。

2024年問題に対応するための施策としては、デジタルツールを導入したり、そもそもの業務内容を見直したりすることが挙げられます。効率化や自動化を視野に入れた対応が必要であると言えるでしょう。

「働き方改革関連法」における11の変更点

ここからは、働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)における11の変更点についてご紹介します。具体的に、どのような変更が加えられているのか、以下を見ていきましょう。

 

時間外労働上の上限規制を導入 原則として以下を超える時間外労働の禁止
・月45時間
・年間360時間例外がある場合には、月100時間未満(年間720時間)までに限り、年6回までという条件下であれば認められる。
勤務間インターバル制度の導入を促進 勤務終了から、翌日の勤務開始まで、最低でも11時間の休息時間を設けることを推奨する。
年5日の年次有給休暇の取得の促進 年間10日以上の有給休暇が与えられる労働者に、年に5日の年次有給休暇の取得を義務付ける。
月60時間超の残業の割り増し賃金率の引き上げ 月60時間を超える残業の、割り増し賃金率を50%に引き上げる。(従来は25%)
労働時間を客観的に把握すること 勤怠管理システムの導入や、就業時間の正確な記録などを実施する。
フレックスタイム制の清算期間の延長 フレックスタイム制の清算期間を最大3か月にまで延長する。(従来は最大1か月)
高度プロフェッショナル制度の導入 特定の高収入な専門職に従事する労働者の労働時間を柔軟にする。
産業医・産業保健機能を強化する 労働者の健康管理やメンタルヘルスケアのために、産業医や産業保健機能などの体制を整備する。
不合理な待遇差を禁止 雇用形態に関わらず、公正な待遇を確保する。
労働者に待遇に関する説明実施 労働者に対して、労働条件や待遇の内容、考慮事項などをきちんと説明する。
行政から事業主へ助言や指導などを行う手続き規定を整備 行政が、労働者の労働権を保護することを目的として、履行確保措置を講じる。

現代のニーズや、日本国内における特有の課題・壁に対応できるよう、働き方改革関連法において、11もの変更が加えられました。

上記を参考にしたうえで、自社内の制度や福利厚生などの整備を進めていきましょう。

働き方改革における具体例

働き方改革に対応するために、そもそも何を導入・整備したらいいのか分からない、といった声は少なくありません。そこで、ここからは、働き方改革における具体例を解説します。実現できそうなアイデアがないか、ぜひチェックしてみてください。

リモートワークの導入

働き方改革実現に向けた具体例として、まず挙げられるのがリモートワークの導入です。リモートワークであれば、自宅で業務を進めることができるため、働き方改革における事例としては定番です。

「移動時間がないから拘束時間を短縮できる」「育児や介護と両立しやすい」「地方に住んでいても都心部の企業の求人に応募できる」など、労働者側にメリットが大きい取り組みです。

とはいえ、メリットは労働者側だけではなく、企業側にもたくさん存在します。労働者の移動が不要であるため、支給する交通費を削減することが可能です。また、オフィスに出勤する労働者が少ない場合には、オフィスを縮小するなど、固定費を抑え安くなります。

他にも、住んでいる地域を問わず人材を確保しやすくなったり、働きやすさの改善によって離職率を下げやすくなったりと、さまざまなメリットが得られるでしょう。

サテライトオフィスの設置

働き方改革を実現するための具体例として、「サテライトオフィスの設置」が挙げられます。サテライトオフィスとは、本社とは別に設ける拠点であり、都内だけではなく地方にも数多く存在します。

サテライトオフィスに対応している物件やサービスに契約するだけで、自社の拠点を増やせるのが魅力です。

また、近年は町おこしや地方創生などの取り組みの一環として、地域がサテライトオフィスの事業に注力しているケースもあります。静岡県富士宮市がその一例です。

「富士宮サテライトオフィス」として、都心の企業を中心にさまざまな企業の活動拠点として利用できるよう、サテライトオフィスの誘致事業を展開しています。各種補助金やお試しテレワークなど、導入を検討しやすい条件がそろっている地域です。

働き方改革実現のための取り組みについて悩んでいる方は、ぜひ一度「富士宮サテライトオフィス」をご覧ください。

【富士宮サテライトオフィス】
窓口  :富士宮市 産業振興部 商工振興課
電話番号:0544-22-1154
公式HP  :https://fujinomiya-so.com/

コワーキングスペースの活用

働き方改革を実現するための選択肢の一つに「コワーキングスペース」があります。コワーキングスペースとは、業種や職種が多様な他の利用者と、共同で働けるスペースのことです。

コワーキングスペースによって、具体的なサービス内容は異なるものの、プリンターやデスク、椅子などは他の利用者とシェアするイメージで利用します。働くために必要なインターネット環境も整備されていることがほとんどであるため、パソコンを持ち込むだけで、すぐに作業を開始できるのが魅力です。

コワーキングスペースによっては、講座やセミナーなどのイベントを実施していることもあり、情報収集や勉強のためのコミュニティとしても活用できます。

富士宮市には、前項で触れたサテライトオフィスだけではなく、コワーキングスペース「Connected Studio i/HUB」もオープンしています。多種多様な利用者が集い、各々が自分の作業に従事しているため、モチベーションを維持して業務に向かえるのではないでしょうか。

サテライトオフィスと似ている部分もありますが、コワーキングスペースは「時間単位で利用ができる」「必要なときにスポットで利用ができる」など、利用スタイルに若干違いがあります。

まずは一度、「Connected Studio i/HUB」にて、自社で導入できるかを相談してみてはいかがでしょうか。

【Connected Studio i/HUB】

住所  :静岡県富士宮市大宮町31 澤田ビル1F/2F
営業時間:9:00~18:00(月額会員は24時間利用可能)
休業日 :土曜日・日曜日・祝日・その他
電話番号:0544-66-6880
公式HP :https://connectedstudioihub.com/access/

フレックスタイム制の導入

働き方改革のメリットの一つが、フレックスタイム制の導入です。フレックスタイム制は、リモートワークとは異なり、新型コロナウイルスの影響を受ける前から、一部の企業で導入が進んでいた制度です。

フレックスタイム制の特徴は、コアタイム(必ず出勤している時間)に会社にいれば、出勤時間や退勤時間は問わない点です。仮に、コアタイムが11時から15時であった場合、この時間内に会社にいれば、出勤時間も退勤時間も自由です。

育児や家事、介護との両立がしやすい働き方として、かつてから注目を集めていた働き方でした。

「リモートワークへの切り替えが難しい」「会社でしか対応できない業務がある」などの現場であればフレックスタイム制を取り入れてみてはいかがでしょうか。

年功給の廃止及び能力給への変更

大手企業を中心に、近年注目を集めている働き方改革事例の一つが、「能力給への変更」です。これまで、日本は長きにわたって年功給の制度が採用されていました。

本人の能力に関わらず、入社間もないうちは給料が安価であり、勤続年数が長くなるに連れて給料が高くなっていく仕組みです。しかし、年功給では、若手のモチベーションの向上が難しいうえに、生産性に関する問題も生じてしまいます。

とくに、すでに勤続年数が長い労働者の場合、生産性や業務内容に関わらず給料が高額な傾向です。そのため、本人の働きが給料に見合っていないといった事例も見られます。企業としては、有益な人材であるとは言い難いのが事実でしょう。

上記のような問題を解決するために、現在、一部の企業で能力給の採用が進んでいます。若手のチャレンジや活躍を促進するとともに、勤続年数の長い労働者の生産性向上が期待できるため、企業の成長戦略としても期待されています。

各種ビジネスツールの導入

働き方改革を実現するための事例として、「ビジネス関連の便利ツールの導入」が挙げられます。チャットツールやタスク管理ツール、勤怠管理ツールなど、現代ではさまざまな便利ツールが誕生しています。

「どこにいても作業ができる」「メンバーと離れていても情報共有や進捗管理ができる」などは、働き方改革を実現するにあたって必須の環境といえます。

また、リモートワークやサテライトオフィスなどを導入しなくても、便利なツールは積極的に導入しておくことをおすすめします。人為的なミスを削減したり、情報共有・報連相の手間・時間の軽減につながるため、企業・労働者それぞれにとってメリットが大きいといえるでしょう。

働き方改革の実現につながる!おすすめのビジネスツール3選

ここからは、働き方改革を視野に入れている方へ向けて、おすすめのビジネスツールをご紹介します。具体的に、どのようなツールがあるのか、以下から見ていきましょう。

ビジネスに特化したチャットツール|Chatwork

 

出典:https://go.chatwork.com/ja/

働き方改革の実現に一役買ってくれるツールとして、まずご紹介するのが「Chatwork」です。テキストメッセージで気軽にコミュニケーションをとれる点が特徴で、速やかな連絡手段として重宝します。

各種電子ファイルを共有できるだけでなく、リアクションボタンで反応を返すことも可能です。また、一度読んだメッセージを「未読」に戻して通知を残しておいたり、メッセージの内容をそのまま丸ごとタスク化できたりするなど、便利な機能も豊富です。

メールとは異なり、リアルタイムで素早くコミュニケーションをとれるのが嬉しいポイントでしょう。

直感で業務の進捗を把握できるタスク管理ツール|Trello

 

出典:https://trello.com/ja

Trelloは、タスク管理の場面で利用できる便利なツールです。ボード上でタスクを管理できるため、直感で現状を把握することができます。

専用の「カード」を移動させたり、追加したりでき、ステータスを簡単に変更できるため、タスク管理の手間もかかりません。

「To do」「Doing」「Done」など、さまざまなカテゴリに分けて管理・確認できるうえに、各メンバーの作業状況も表示することができます。

リモートワーク定番のオンライン会議ツール|Zoom

 

出典:https://www.zoom.com/ja/products/virtual-meetings/

Zoomは、全世界で利用されているオンライン会議ツールです。Webカメラでお互いの顔を見ながら、まるで対面で話しているかのように会議やミーティングを実施することができます。

無料プランも提供されているため、コストを削減しつつリモートワークに対応することが可能です。また、「画面共有機能」で自身の画面を他の参加者にも共有したり、バーチャル背景で自室の様子を隠したりする機能もあります。

さまざまなオンライン会議ツールの中でも、比較的接続の安定性も高いため、トラブルが少ない点が魅力です。

まとめ|働き方改革の実現に向けて「サテライトオフィス」を導入してみよう

働き方改革の実現は、いまや国内に展開するすべての企業に必要になったといっても過言ではありません。しかし、企業によっては、働き方改革のための取り組みが重荷になることもあるかもしれません。

一方で、実現できれば、人手不足の解消や企業の成長機会の促進など、さまざまなメリットが得られます。

サテライトオフィスの設置は、まさに働き方改革を実現するための有効な選択肢といえるでしょう。富士宮市では、大手企業から中小企業まで、さまざまな規模の企業が利用できるサテライトオフィス事業を展開しています。

「本社以外に拠点が欲しい」「都内以外からも優秀な人材を確保したい」「従業員の働く環境を改善したい」など、現状に課題を感じている方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

 

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