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働き方改革やワークスタイルの多様化など、時代の変化に伴い、企業にも変化が求められるようになりました。そのうちの一つとして「ジョブ型人事」があります。
ジョブ型人事は、現代のワークライフバランスや成果主義への価値観の高まりから注目される、新しいワークスタイルです。
しかし、まだまだ理解が進んでいないのが現状であり、「そもそもどのような人事制度なのか」が知られていません。
そこで、今回はジョブ型人事の概要や導入するメリット・デメリット、メンバーシップとの違いなどについて解説していきます。
ジョブ型人事とは、職務(ジョブ)を基準に採用・評価・報酬を決定する人事制度です。各ポジションごとに職務の要件を定め、求められるスキルや責任範囲を明確にする点が特徴です。欧米では一般的な制度であり、専門性を重視したうえで成果に応じた評価が行われます。
一方で、日本の伝統的な企業風土の場合、企業が社員を総合職として採用し、配属や昇進を決定していくのが特徴です。
つまり、ジョブ型人事は専門性を活かしやすい反面、配置転換が難しく、組織の柔軟性が低下する可能性があります。
ただ、近年はリモートワークやサテライトオフィスの普及により、働く場所を問わないジョブ型人事の導入が注目されています。企業には、適切な職務設計や評価制度の整備が求められます。
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ジョブ型人事を導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここからは、企業側が得られるメリットを解説していきます。
ジョブ型人事では、各職務に求められるスキルや経験が明確であるため、従業員は自身の専門性を高めながらキャリアを築くことができます。特定の分野でのスキルアップが求められるため、従来のメンバーシップ型人事と比較して、社員一人ひとりのキャリアパスがより明確になるのです。
また、企業側としても、高度な専門知識を持つ人材が確保しやすくなり、事業の競争力向上につながります。
結果的に、企業の成長力を高められるといったメリットがあると言えるでしょう。
ジョブ型人事では、職務ごとの成果が評価基準となるため、従業員は自身の目標達成に向けて業務に集中しやすくなります。従来の年功序列や曖昧な評価基準ではなく、具体的な成果に応じた評価が行われることで、個々のモチベーション向上にもつながります。
従業員のモチベーションが高まれば、従業員が高いパフォーマンスを発揮しやすくなり、全体の生産性向上が期待できます。
ジョブ型人事は、職務内容が明確であるため、国内外問わず即戦力となる人材を採用しやすいというメリットがあります。特に、グローバル展開を進める企業にとっては、各国の市場に適した専門人材を確保しやすくなるため、国際的な競争力の向上につながります。
また、成果をもとにした評価を導入することで、性別や年齢に関係なく、能力に応じた公平な雇用が実現します。
現代で求められている「多様な働き方」の実現につながり、従業員の満足度向上も期待できるでしょう。
ジョブ型人事は、成果主義にもとづいた評価体系が特徴です。そのため、従業員の働く場所や時間に縛られることがなく、リモートワークやフレックスタイム制との相性が良いとされています。
特に、サテライトオフィスとの相性が良く、都市部以外に住む人材の雇用機会を広げることが可能です。地域を問わずに人材を獲得できるため、企業は多様な人材の確保が可能です。
また、従業員にとっても、ワークライフバランスを向上できます。そのため、より柔軟な働き方を実現でき、企業・従業員双方にとって大きなメリットがある雇用形態なのです。
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ジョブ型人事には魅力的なメリットがありますが、一方で把握しておくべきデメリットも存在します。どのような懸念点があるのか、ジョブ型人事を導入する前に確認しておきましょう。
ジョブ型人事のデメリットは、異動や配置転換の難易度が高くなる点です。各従業員の職務が明確に定義されているため、柔軟な異動や配置転換が難しくなります。
従来のメンバーシップ型では、企業の経営状況や人員の適性に応じて部署異動を行いやすい仕組みでした。しかし、ジョブ型では採用時に定められた業務内容が重視されるため、必要な人材が不足した際に内部で補うことが難しくなります。
結果的に、適材適所の人材配置が難しくなり、人手不足の部署では業務の停滞が生じる可能性があるのです。
ジョブ型人事では、従業員がそれぞれの職務範囲にもとづいて働きます。そのため、部門を超えた協力体制が構築しにくいといった難点があるのです。
実際、メンバーシップ型であれば、幅広い業務を担当することで組織全体の視野を持ちやすくなります。部門間の連携が自然に生まれやすい環境といえるでしょう。
しかし、ジョブ型では「自分の職務範囲外の業務には関与しない」といった意識が強くなりやすい難点があります。そのため、チームワークを重視する企業にとっては、コミュニケーション不足や組織内での分断が課題となるリスクが生じるかもしれません。
ジョブ型人事では、従業員の評価を成果ベースで行うことが基本です。しかし、評価基準を適切に設計しないと、従業員間で不公平な事態に陥る可能性があります。
特に、定量的な成果が測りにくい業務や、プロジェクト単位での貢献度を評価する必要がある業務においては、適切な評価方法を定めるのが難しいものです。また、評価基準が曖昧な場合、従業員のモチベーションが低下し、離職につながるリスクもあります。
そのため、企業は職務ごとに適切な評価基準を整備し、納得感のある評価制度を構築することが重要です。
ジョブ型人事は欧米の企業文化に根付いた制度であり、日本特有の企業文化にマッチしない部分があると言われています。
実際、日本では終身雇用や年功序列を前提とした、メンバーシップ型の雇用体系が主流となってきました。そのため、ジョブ型に移行すると、従来のような総合的なキャリア形成や企業内での長期的な成長が難しくなることがあります。
また、「与えられた業務だけをこなす」という意識が強まると、企業全体の柔軟性が失われる可能性があり、対応力の低下といった課題が生じる場合があるのです。
そのため、日本企業がジョブ型人事を導入する際には、企業文化や従業員の意識改革を同時に進めることが重要になります。
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ジョブ型人事と似ている雇用形態の一つとして、「メンバーシップ型」が挙げられます。いずれも、特定の業務を特定の社員が担う雇用形態ですが、それぞれ大きな違いがあるため、あらかじめ把握しておかなければなりません。
具体的にどのような違いがあるのか、以下から見ていきましょう。
ジョブ型人事とメンバーシップ型人事の大きな違いは、雇用の考え方です。
ジョブ型人事では、企業が特定の職務に必要なスキルや経験を持つ人材を採用し、職務記述書に沿って業務を担います。
一方、メンバーシップ型人事は、企業は「ポテンシャル採用」が基本です。特定の職務に限定せず、入社後に配属や業務内容を決定します。
ジョブ型は職務に対する適合性が重視されるため、即戦力となる人材を求めるのに対し、メンバーシップ型は長期的な育成を前提とした雇用形態なのです。
ジョブ型人事では、専門性を高めながらキャリアを形成することが多い傾向にあります。
職務ごとのスキルや経験が求められるため、キャリアアップのためには転職や職務変更を通じて成長していくケースが多く見られます。
一方、メンバーシップ型人事では、入社後にさまざまな部署を経験しながら総合的なスキルを身につけ、昇進や異動を繰り返してキャリアを築いていくのが特徴です。
特に日本企業では、管理職への昇進が一般的なキャリアパスとなっており、特定の専門領域にこだわらずキャリアを構築するケースが多い傾向です。
ジョブ型人事では、成果やスキルを基準とした評価が行われるのが一般的です。
各職務に求められる「業務遂行能力」や「実績」が評価の対象となり、数値化しやすい職務では成果ベースの評価が取り入れられます。
ただ、メンバーシップ型人事では、職務以外の貢献度や社内での振る舞い、勤続年数なども評価に影響を与えます。
特に、日本の企業文化では協調性や組織貢献度が評価の一部となるケースが多く、業務以外の側面も考慮される傾向があります。
ジョブ型人事では、職務内容や市場価値に応じて報酬が決定します。そのため、専門性の高い職種は給与が高いケースが多いです。
また、ジョブ型人事は成果主義が採用されやすいため、業績で報酬が変動することも珍しくありません。
メンバーシップ型人事では、年功序列や勤続年数に応じた昇給が一般的であり、個々の職務内容よりも社内での経験や役職によって給与が決まる傾向にあります。
つまり、ジョブ型では実績に応じた給与体系が形成されやすく、メンバーシップ型では安定した報酬体系が維持されやすいという違いがあります。
ジョブ型人事を導入するにあたって、成功させるにはどうしたらいいのでしょうか。ここからは、ジョブ型人事の導入におけるポイントを解説します。
ジョブ型人事の導入で、まず重要なポイントが「職務記述書(ジョブディスクリプション)」の作成です。
職務記述書とは、特定の職務に求められる業務内容や責任範囲、必要なスキル・経験を明確に記載したものであり、採用や評価、報酬決定の基準となります。
曖昧な職務定義では適切な人材を確保できないだけでなく、従業員の役割も不明確になり、制度の運用に支障をきたす可能性があるでしょう。そのため、企業は各部署と連携しながら、具体的かつ実態に即した職務記述書を策定することが求められるのです。
ジョブ型人事では、職務ごとの成果に応じた評価が重要です。従業員としては、成果がきちんと評価に反映されないと、モチベーションの低下や離職に関わってきてしまいます。
従来のメンバーシップ型の評価制度をそのまま適用すると、適切な評価がしづらく、従業員が不公平に感じる可能性があるでしょう。
そのため、数値化しやすい業務についてはKPI(重要業績指標)を設定し、成果を客観的に評価できる仕組みを整えることが重要です。また、数値化が難しい業務については、業務プロセスや専門性の発揮度を基準とした評価方法を検討する必要があります。
ジョブ型人事の導入では、企業の文化や既存の組織体制との適応を考慮することが重要です。日本企業では、長期雇用や部門間の異動が一般的であるため、急に全面的にジョブ型へ移行すると、現場の混乱を招く可能性があります。
そのため、まずは一部の職種や部門で試験的に導入し、徐々に適用範囲を広げるといった段階的な施策を取り入れましょう。
ジョブ型人事を定着させるためには、従業員自身が主体的なキャリア形成に関する意識を持つ必要があります。従来のメンバーシップ型では、企業側がキャリアを設計し、従業員は与えられた業務を遂行する形が一般的でした。
しかし、ジョブ型では、各自が自身のスキルを磨き、専門性を高めることが求められます。そのため、企業は従業員向けの研修やスキル開発の機会を設ける必要があり、キャリア形成ができるようにサポートしなければなりません。
特に、リスキリング(学び直し)やジョブローテーションの仕組みを導入すれば、長期的な成長を促し、ジョブ型人事の成功を実現しやすくなるでしょう。
ジョブ型人事を検討するのであれば、相性の良いワークスタイルについてもぜひ把握しておきましょう。
ここからは、ジョブ型人事との相性が良いワークスタイルを解説します。
サテライトオフィスの活用は、ジョブ型人事と相性の良い働き方の一つです。
従業員が通勤時間を短縮し、より効率的に業務を進められる環境を整えることで、集中力や生産性の向上が期待できます。
また、企業にとっては、都市部以外のエリアにオフィスを設置することで、地方の優秀な人材を採用しやすくなるメリットもあります。
リモートワークと組み合わせることで、サテライトオフィスと在宅勤務の柔軟な働き方も実現できるでしょう。
ちなみに、富士宮市では、サテライトオフィスの展開を検討している企業に向けた、相談窓口を設置しています。「地方進出に向けてオフィスがほしい」「資源の多いエリアで事業を展開したい」など、富士宮市ではさまざまな問い合わせがある状況です。
地方へのサテライトオフィスの設置に興味のある方は、ぜひ一度、富士宮市までお問い合わせください。
【富士宮サテライトオフィス】
窓口 :富士宮市 産業振興部 商工振興課
電話番号:0544-22-1154
公式HP :https://fujinomiya-so.com/
コワーキングスペースの活用は、ジョブ型人事と非常に相性の良いワークスタイルの一つです。
特に、リモートワークが主流になりつつある現代では、自宅以外に仕事環境を求める従業員が少なくありません。コワーキングスペースは、まさにそのような「自宅以外で作業したい」といったニーズに応える選択肢となるでしょう。
企業側も、固定オフィスを縮小したり、そもそもメインのオフィスを持たず済むため、結果的にオフィスコストの削減が可能です。
富士宮市には、柔軟なワークスタイルを叶えるコワーキングスペースとして「Connected Studio i/HUB」があります。
必要な設備が充実していて、快適な作業環境が提供されているため、リモートワーク・テレワーク中の従業員のほか、スタートアップ企業のメンバーやフリーランスなど、多様な方が利用しています。
ドロップイン(都度利用)も可能であるため、気になる方は、ぜひ利用を検討してみてください。
【Connected Studio i/HUB】
住所 :静岡県富士宮市大宮町31 澤田ビル1F/2F
営業時間:9:00~18:00(月額会員は24時間利用可能)
休業日 :土曜日・日曜日・祝日・その他
電話番号:0544-66-6880
公式HP :https://connectedstudioihub.com/access/
ジョブ型人事では、職務ごとの成果が求められるため、必ずしもオフィスに出社する必要はありません。そのため、リモートワークやテレワークとの相性が非常に良いと言えます。
特に、ITツールを活用したオンライン会議やクラウドベースの業務管理が普及している現代では、自宅や外出先でもスムーズに業務を進められる環境が整っています。
企業としても、オフィススペースの削減や、遠方の優秀な人材の採用が可能になるというメリットがあり、コスト削減に大きな影響があるでしょう。
ジョブ型人事では、職務ごとに独立した業務を行うケースが多いため、固定席を設けない「フリーアドレス制」との相性が良いと言えます。
フリーアドレス制は、従業員が業務内容に応じて働く場所を自由に選択できるのが特徴です。そのため、部門間のコミュニケーション活性化や、オフィススペースの有効活用につながります。
特に、プロジェクトベースでの業務が多い企業では、フリーアドレス制を導入することで、業務ごとに適した作業スペースを選びやすくなるでしょう。
ジョブ型人事は「成果」を重視するため、従業員がどこで仕事をするかよりも、業務のパフォーマンスが重要視されます。この考え方は、リゾート地や地方に滞在しながら仕事をする「ワーケーション」と非常に相性が良いと言えます。
ワーケーションを活用することで、従業員は新しい環境で働くことができ、リフレッシュしながら業務に取り組めます。
企業にとっても、従業員のモチベーション向上や柔軟な働き方の促進による人材定着率の向上が期待できるため、双方にメリットがある制度です。
ジョブ型人事では、業務ごとの成果を評価するため、必ずしも固定の勤務時間を設ける必要がありません。そのため、始業・終業時間を柔軟に設定できるフレックスタイム制との相性が良いとされています。
特に、グローバル企業では、異なるタイムゾーンにいるチームメンバーと協力するケースが多いため、柔軟な勤務時間の調整が求められます。従業員にとっても、ライフスタイルに合わせて働く時間を調整できるため、仕事とプライベートの両立がしやすくなります。
ジョブ型人事の導入により、これらのワークスタイルを積極的に取り入れることで、従業員の働きやすさと企業の競争力を向上させやすくなるでしょう。
ジョブ型人事は、職務ごとに必要なスキルや成果を基準とした人事制度であり、専門性の向上や生産性向上、グローバル人材の確保といった多くのメリットをもたらします。特に、リモートワークやサテライトオフィス、ワーケーションなど、柔軟な働き方との相性が良く、従業員が自身のスキルを活かしながら、より自由度の高いキャリア形成が可能です。
現代に適した職場環境を整備したいと考えている企業担当者の方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしながら、自社にマッチしたワークスタイルを探してみましょう。
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