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リモートワークは、ここ数年で一気に広がり、いまや多くの企業にとって「特別な働き方」ではなく、経営や採用戦略に関わる重要なテーマになっています。一方で、「実際にどんなメリットがあるのか」を整理できていないまま導入・運用しているケースも少なくありません。
そこで、この記事では、リモートワークのメリットを企業側と従業員側の2つの視点から解説します。
コスト削減や生産性向上、離職防止といった企業にとっての利点のほか、通勤負担の軽減やワークライフバランスの改善など、働く人にとっての具体的な効果も紹介します。
導入を検討している企業担当者の方も、現場で働く方も、ぜひ参考にしてください。

リモートワークとは、会社のオフィスに出社せず、自宅やカフェなど別の場所で業務を行う働き方のことです。インターネット環境とPC、チャットやWeb会議ツールなどを活用し、場所に縛られずに仕事を進める点が特徴です。
似た言葉に「テレワーク」がありますが、一般的にはテレワークの一形態がリモートワークと捉えられることが多く、実務上はほぼ同じ意味で使われるケースも少なくありません。企業によって定義が異なるため、制度設計時には「どこで・どの頻度で・どの職種が対象か」を明確にしておくことが重要です。
リモートワークは、企業側・従業員側それぞれにメリットがありますが、それぞれの魅力は異なります。まずは企業側におけるリモートワークのメリットを見ていきましょう。
リモートワークの導入は、離職率の防止に影響しやすい施策です。実際、退職理由の上位を見てみると「長時間通勤の負担」「育児・介護との両立が困難」など、働く環境が関係するものが多い傾向にあります。
出社前提の制度では、能力や意欲があっても継続就業が難しくなる人材が一定数発生しますが、リモート勤務が可能になることでその離脱を防ぎやすくなります。特に、中堅層や専門職の離職は、採用コストだけでなく業務の引き継ぎや顧客対応の面でも損失が大きいものです。そのため、リモートワーク導入による定着率向上は大きなメリットといえるでしょう。
ちなみに、柔軟な働き方を実現できる職場は、従業員エンゲージメントも高まりやすい傾向にあります。結果的に「辞めにくい会社」ではなく「辞める理由が少ない会社」へと組織を変えていけるでしょう。

リモートワークは採用市場における競争力を高める有効な手段です。出社必須の求人では、応募対象がオフィス通勤圏内に限定されるため、そもそもの母集団が狭くなりがちです。
一方、リモート勤務を前提または選択可能にすると、地域を問わず人材へアプローチできるため、採用の選択肢が一気に広がります。特に、以下のような職種とリモートワークの相性が良いです。
上記の職種の人材は、働く場所の自由度を重視する傾向が強く、リモートワークの有無が応募率に関わるケースも珍しくありません。また、地方在住者や配偶者転勤帯同者、海外在住経験者など、これまでは接点を持ちにくかった層とも出会える点は大きなメリットです。
リモートワークの定着により、企業はオフィス関連コストの削減を進めやすくなります。常時出社を前提としない体制であれば、必要な座席数を見直せるため、オフィス面積を縮小したりフリーアドレス化したりすることが可能です。また、拠点統合などの選択肢も視野に入れられるかもしれません。

オフィスを見直すことで、「賃料」「共益費」「光熱費」「清掃費」「設備保守費」「備品購入費」など、固定費を削減することが可能です。固定費は売上の変動に関係なく毎月発生するため、ここを下げられると社内の収益にもメリットがあるでしょう。
また、リモートワークを導入すると、会議室や執務室などのスペースの利用が減少します。そのため、各設備の利用実態をデータで把握し、必要に応じて縮小するなど、オフィス設計を見直すことで無駄を解消することが可能です。
リモートワーク比率が高まると、通勤手当の設計を実態ベースに見直せるため、大幅なコスト削減につながります。従来のように一律で1カ月定期代を支給する運用では、出社日数が少ない場合に実態との乖離が生じやすく、企業側にとっては過剰負担となることがあります。
出社実績に応じて実費精算したり、ハイブリッド勤務向けに上限付きで支給する制度に変更したりすることで、無理なくコストを調整できます。また、単なるコスト削減ではなく、削減分を在宅勤務手当や通信費補助に再配分する設計にすれば、制度への満足度も高まるでしょう。
リモートワークは、組織全体の稼働率を高める効果が期待できます。実際、通勤時間の削減で、往復1〜2時間の移動負担がなくなるだけでも、業務開始前後の余力が大きく変わると言われているのです。
また、オンラインを前提に業務設計を見直すことで、会議を短時間化したり、承認フローの迅速化が進みます。結果的に、非効率な時間の削減や手戻りの軽減につながります。つまり、同じ労働時間でも付加価値の高い業務に充てられる時間が増え、生産性を向上できるようになるのです。
さらに、集中が必要な業務と対面でのコミュニケーションが必要な業務を分け、個人作業はリモート、創発的議論は出社時に実施するなど、業務に応じた運用ができれば、よりリモートのメリットを得やすいでしょう。
リモートワークを実効性ある形で運用するには、紙やハンコといった旧来の業務から脱することが必要です。リモートワークを導入することで、必然的にDX推進につながると言っても過言ではありません。
たとえば、申請・承認の電子化や、契約や請求処理のクラウド化、チャットツールによる情報共有などが進むと、業務が目に見える形になるだけでなく、再現性も高まります。そのため、担当者が不在であっても仕事が止まりにくくなるのです。
とはいえ、重要なのは、ツール導入だけで満足しないことです。運用ルール、責任範囲、評価基準まで設計して初めてDXは定着します。リモートワークをただの「勤務制度」とするのではなく、業務をデジタル前提で進められるようにするためのきっかけとすることが重要です。

リモートワークに対応できる企業は、社外から「従業員目線で考えてくれる会社」「現代にマッチした組織運営ができる会社」と認識されやすく、企業ブランドの向上につながります。
採用市場では、給与や職種に加えて働き方の自由度を重視する候補者が増えており、リモート制度の有無が応募数や志望度を左右するケースも珍しくありません。また、既存社員にとっても、会社が生活実態に配慮しているという実感はエンゲージメント向上に関わります。SNSや口コミサイトなどでの評判にも影響するでしょう。
さらに、取引先や投資家の視点でも、変化への対応力の高い企業はリスク管理能力があると評価されやすく、信頼を獲得することにつながります。
ただし、制度を掲げるだけでは不十分です。実態として機能しているか、評価に不公平がないか、マネジメントが追いついているかまで含めて整えることで、初めてブランド価値となることを理解しておきましょう。
リモートワーク体制の整備は、BCP(事業継続計画)対策を進めるうえで重要な取り組みです。災害や感染症拡大、交通機関の麻痺、インフラ障害など、出社が困難になる事態はいつ起きるかわかりません。
トラブルがあった際に「出社できない=業務停止」となる企業は、売上機会の損失だけでなく、顧客信頼の低下や取引継続リスクもあります。
普段からリモートワークでの業務に慣れ、クラウド環境や管理、緊急時の意思決定の流れなどを整備しておけば、非常時でも業務継続をしやすくなります。つまり、リモートワークは福利厚生ではなく、危機発生時に組織を守る経営インフラでもあると考えられるのです。

リモートワークの浸透は、営業活動の生産性向上にも大きく寄与します。オンライン商談を標準的な選択肢として運用できるようになると、移動時間や待機時間が減り、1日あたりの商談件数を増やしやすくなります。
これまで訪問に半日かかっていた案件も短時間で実施できるため、初回接点の創出からフォロー面談、既存顧客への定期接触など、接触頻度を高めることが可能です。
とはいえ、すべてをオンラインにする必要はありません。関係構築が重要なシーンや高額案件では対面での商談を組み合わせる判断も必要でしょう。オンラインと対面を目的別に使い分けることで、営業工程をスピーディーに進められるだけでなく、質も求めやすくなり、双方を両立しやすくなります。
ここからは、リモートワークによる従業員側のメリットを解説します。従業員側のメリットには何が挙げられるのか、以下から見ていきましょう。
リモートワークにおいて、従業員にとってとくに大きなメリットであるのが、通勤時間をほぼゼロにできることです。都市部では片道30分〜1時間以上の移動が一般的で、往復すると1日1〜2時間、月単位では非常に長い時間を通勤に使っている計算になります。
さらに、満員電車や渋滞による身体的・心理的ストレスは想像以上に大きく、業務開始前から疲労を感じる原因にもなります。通勤が不要になれば、その時間を睡眠や朝の準備、家事、家族との時間に回すことができ、1日の質が改善するでしょう。
また、天候や交通遅延に左右されず安定して働けるため、気持ちの余裕も生まれます。移動がなくなるだけではなく、自分が自由に使える時間と体力の回復を同時に実現できる点が、通勤時間削減の魅力といえるでしょう。
リモートワークでは、自分に合った作業環境を整えやすいため、集中力を維持しやすくなります。実際、オフィスで働いていると、周囲の会話で気が散ったり、突然声をかけられて集中が途切れたりすることが少なくありません。また、不要な会議への参加など、意図しない中断が頻繁に発生しがちです。
もちろん、対面でのコミュニケーションにも価値はありますが、深い思考を要する業務では中断コストが高く、生産性の低下につながることも少なくありません。リモート環境であれば、通知設定や作業時間帯の調整、静かな作業場所の確保などにより、集中しやすい状態を自ら作ることができます。
自分のペースで仕事を進められることで、業務の品質向上にもつながりやすく、長く働くスタイルより「質を高くして働く」といった状態につなげやすくなります。
リモートワークは、仕事と私生活のバランスを見直しやすい働き方です。出社が中心の働き方では、通勤や身支度、帰宅後の疲労で、自由に使える時間が短くなりやすいものです。
しかし、リモート勤務なら、移動負担が減る分、休養や趣味、運動に充てられる時間が増え、生活の満足度が上がりやすくなります。また、心身に余裕ができることで、仕事中の集中力が高まったり、感情が安定しやすくなったりと、良い影響が出るでしょう。

リモートワークが可能になると、「職場に通える場所に住む」といった、職場中心の考え方がなくなり、住まいの選択肢が広がります。これまでは通勤時間を優先して家賃の高い都市部に住む必要がありましたが、出社頻度が低ければ、家賃や住環境、子育て環境などを考慮して住居を選びやすくなるでしょう。
実際、同じ家賃でもより広い住空間を確保しやすい郊外に住んだり、自然環境の良い地域へ移住したりできるようになります。また、住環境が改善されることで、睡眠の質やストレスレベルが下がり、結果的に仕事のパフォーマンス向上につながるケースもあります。
リモートワークは働く場所だけでなく、暮らし方そのものの最適化を可能にする制度といえます。
リモートワークによって生まれた時間は、スキルアップやキャリア形成のための自己投資に活用できるようになります。通勤時間や移動待機の削減により、1日あたり30分〜2時間程度の余白が生まれる人も多く、その積み重ねは年間で見ると大きな差です。
生まれたこの空き時間を資格取得のための学習や語学、読書、オンライン講座、業務関連の情報収集に充てれば、市場価値の向上につながります。特に、変化の速い職種では、日常業務だけで成長し続けるのが難しいため、計画的な学習時間の確保が重要です。
また、早朝や昼休み、終業後など、自分の集中しやすい時間に学習を組み込みやすいのもリモート環境のメリットです。
短期的には業務効率の改善、長期的には昇進・転職・専門性の獲得といった形でリモートワークの恩恵を期待できます。

リモートワークは、育児や介護と仕事を両立するうえで魅力的な選択肢です。保育園や学校の送迎をしたり、急な呼び出しを受けてお迎えに行ったりすることをふまえると、リモートワークのほうが都合をつけやすいといえます。
また、介護においても、通院の付き添いや介護サービス担当者への対応など、出社していると難しいサポートはたくさん存在します。
リモート勤務であれば移動時間が不要な分、突発的な対応もでき、必要なタイミングで家庭・業務を切り替えやすくなります。
もちろん、育児・介護をしながら同時に仕事をするのは簡単ではないため、フレックス制度や中抜け制度、チーム内の情報共有ルールと組み合わせることが前提です。それでも、働き続ける選択肢を持てるようになり、キャリアを断念してしまうリスクを軽減できるようになります。
リモートワークは、感染症対策の観点で有効な働き方の一つです。不特定多数が集まる通勤電車や従業員が密集したオフィス内では、感染対策にも限界があります。感染対策の基本は「接触回数を減らす」であり、そのためには、リモートワークが最も現実的なのです。
リモートワークでの感染防止対策のメリットは、単純に個人の健康を守るだけではありません。チーム内で複数人が同時に感染してしまったり、欠勤が増えることによる業務停滞を防いだりすることにもつながります。
また、基礎疾患がある人や同居している家族にリスクを抱える人がいる従業員にとって、働き方の選択肢があることは安心できるポイントです。
日頃からオンライン会議やクラウドの活用など、業務フローを整えておけば、感染状況の変化にも対応しやすくなるでしょう。
いざリモートワークを導入しようにも、どのように取り入れたらいいのか悩むケースは少なくありません。とくに、これまでは出社が基本であった企業にとって、リモートワークの導入は大きな変化です。
ここからは、リモートワークを検討している企業が活用できる導入アイデアをご紹介します。以下から、導入できそうなアイデアがないかチェックしてみてください。

これまで出社が前提であった企業におすすめしたいのが、ハイブリッドワークです。ハイブリッドリモートワークとは、「出社」と「リモート」を組み合わせたスタイルの働き方です。
すべての業務をリモート化する「フルリモート」とは異なり、集中作業や個人タスクは在宅、企画会議や1on1、オンボーディングなど対面が望ましい業務は出社する……といったイメージです。
また、評価が「出社している時間」に偏らないようにする配慮も必要です。自宅・職場両方を公平にきちんと評価できるよう、基準を明確にしましょう。
モバイルワークは、営業先や移動中、出張先など、オフィスなどの拠点以外で業務を行うスタイルの働き方です。外出の多い職種では、オフィスに戻ってから報告書作成や連絡対応をするといった流れでは、移動による時間ロスが大きく生産性が下がりやすくなります。
モバイルワークを前提にすれば、商談後すぐに議事録や案件情報を入力し、次の工程にすぐに進めるため、業務効率・スピードを改善できます。
サテライトオフィスは、本社以外に設けた小規模な拠点のことです。サテライトオフィスを活用することで、従業員の通勤負担を軽減したり、災害などの万が一の事態に業務を継続できる環境を整備することが可能です。
自宅では作業しづらい従業員や、安定した通信環境・機密性の高いスペースが必要な職種にとって、サテライトオフィスは魅力的な選択肢でしょう。
実際、フルリモートでは「自宅ならではの誘惑が多い」「オンオフのスイッチを切り替えにくい」といった声も少なくありません。従業員の自宅近くにサテライトオフィスを設ければ、郊外に居住する従業員が都心本社まで毎日通う必要がなくなり、オフィスのような緊張感を持って業務に対応できるようになります。
また、拠点を分散させることにより、災害や交通障害時のBCP強化も期待できます。主要なオフィスが機能しなくても、サテライトオフィスが稼働できれば、完全に業務がストップしてしまうリスクを軽減できるでしょう。
ちなみに、富士宮市では、自治体がサテライトオフィスに関する相談窓口を設けています。サテライトオフィスの設置場所や、地域企業との連携など、ビジネスに関する相談も可能なため、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
【富士宮サテライトオフィス】
窓口 :富士宮市 産業振興部 商工振興課
電話番号:0544-22-1154
公式HP :https://fujinomiya-so.com/
コワーキングスペースとは、提供されている空間の中で設備を共有しながらそれぞれ業務を行える場所のことです。初期投資を抑えつつ、リモート環境を確保できる方法といえます。
自社で新たに拠点を構える場合、賃貸契約や設備投資、運営管理コストが発生しますが、コワーキングであれば必要な分だけ利用しやすく、導入ハードルを低くできます。特に、在宅で業務をするための環境が整っていない従業員や、出張先で一時的に作業場所が必要なケースで有効です。
コワーキングスペースによっては「時間単位」「1日単位」「月単位」で利用できる場合も多く、自社のニーズに合わせて自由に導入しやすいといったメリットもあります。
なお、富士宮市でコワーキングスペースを探している方におすすめできるのが「Connected Studio i/HUB」です。安定したインターネット環境から、カフェスペース、会議室など必要な設備が充実しているコワーキングスペースです。
気軽に働ける場所を探している方は、ぜひ利用してみてください。
【Connected Studio i/HUB】

住所 :静岡県富士宮市大宮町31 澤田ビル1F/2F
営業時間:9:00~18:00(月額会員は24時間利用可能)
休業日 :土曜日・日曜日・祝日・その他
電話番号:0544-66-6880
公式HP :https://connectedstudioihub.com/access/
ワーケーションは、旅行先や滞在先で休暇と仕事を組み合わせる働き方で、従業員のリフレッシュと生産性向上の両立を狙える施策です。環境を変えることで心理的なリセット効果が期待できます。とくに、創造性が求められる業務や、中長期の企画検討に良い影響が出る場合があります。
また、地域滞在を通じた出会いがあったり、採用ブランディングにつながったりする効果も期待できるでしょう。ただ、制度化せずに運用すると「休暇なのか勤務なのか」が曖昧になり、労務管理・勤怠管理・費用負担でトラブルが起こりやすくなります。
導入時は、対象者、申請条件、勤務時間の定義など、ルールをしっかりと明確にしておきましょう。
リモートワークは、企業にとっても従業員にとってもさまざまなメリットがある働き方です。企業が期待できるメリットとしては、離職防止や採用力の向上、コスト削減などが挙げられる一方で、従業員にとっても、通勤負担の軽減や集中しやすい環境づくり、ワークライフバランス向上など、働き続けやすくなるといったメリットがあります。
これからの時代、リモートワークは感染対策のための一時的な対応策ではなく、企業競争力や従業員満足度を同時に高める施策になります。
ぜひ、今回ご紹介した内容をヒントにしながら、自社の環境に合ったリモートワークの制度を検討してみてはいかがでしょうか。
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