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近年注目されているサテライトオフィスは、単純に設置するだけでは成功するとは限りません。適した運用フローや、そもそも何を目的として導入するのかを明確にしないと、コストだけが増える結果となってしまいます。
そこで、今回はサテライトオフィスの導入事例をご紹介します。サテライトオフィスを導入した他社がどのように成功させたのか、どう活用しているのかを把握するためにも、ぜひ本記事をチェックしてみてください。

さっそく、サテライトオフィスの導入事例を解説します。自社のサテライトオフィスの目的や求める効果と照らし合わせながら、以下を確認していきましょう。
大和リース(大和ハウスグループ)の「D’sサテライト立川」では、マザーオフィスと変わらない環境で社内コミュニケーションを促進することを実現するために、サテライトオフィスを導入しました。
複数のサテライトオフィスを設けて、従業員が自由に働く場所を選べるようにしたり、ネット予約や顔認証での入退館管理により、セキュリティ面のリスク軽減のほか、出退勤を正確に記録できるようにしています。
参考:「D’sサテライト立川」で働き方改革の実証実験に取り組んでいます(ニュースリリース)
東京急行電鉄(現:東急株式会社)は、在宅勤務に加えてサテライトシェアオフィス「NewWork」を導入しました。本社勤務者も利用ができるように整備し、制度面(スライド勤務等)と組み合わせて柔軟な働き方を広げています。
これにより、女性の働きやすさも改善され「なでしこ銘柄(女性活躍に優れた企業)」に4年連続で選定されました。
実際、育休・産休後の復職・早期復帰の増加につながっています。
参考:平成28年度 テレワークモデル実証事業 テレワーク活用の好事例集
株式会社Hajimariは、長野県在住エンジニアのフルリモート採用を進めた上で、自治体連携強化も見据えて長野市にサテライトオフィスを開設しています。
新たに採用する長野在住エンジニアは、自宅リモートとサテライト出社を業務に合わせて選択可能という設計で、地方人材の採用・活用を前提にした拠点づくりになっています。
また、採用と並行して、自治体にIT技術提供支援など、IT産業の活性化にもつなげている状況です。結果的に地域活性化にも繋がる事例となっています。
参考:株式会社Hajimari、初のサテライトオフィスを長野市に開設
EPSグループは、医療・研究機関が集積し「柏の葉スマートシティ」として発展する千葉県柏の葉エリアのKOIL TERRACEにサテライトオフィスを開設しました。
産官学連携のもと健康長寿・環境共生・新産業創造を推進する地域で、関係機関との連携強化とコミュニケーション促進を図っています。
社員の往来が多い周辺拠点でリモートワークを可能にし、通勤負担軽減や感染対策、BCPを踏まえた全国設置計画の第一弾として、将来事業に適した発信拠点化を進めています。
~アカデミア・ライフサイエンス企業との協業促進と働き方改革の推進を!~
三菱王子紙販売では、2017年から働き方改革として一部でテレワークを試行し、コロナ禍で在宅勤務・時差出勤・直行直帰を推奨しました。しかし、働く場所が会社か自宅に限られ外出中の合間に業務ができないこと、家庭事情で在宅の作業環境を整えにくいことが課題でした。
そこで、2021年2月にサテライトオフィスZXYを導入し、首都圏全域(郊外含む)の駅近拠点を営業のタッチダウンとして活用しています。移動のスキマ時間を生産的な業務に転換し、会社への往復を減らして効率化、直行直帰の心理的ハードルも下げています。
設備の整った社外拠点が増え、働く場所の自由度も広がりました。
参考:営業活動の生産性に課題感を抱く企業さま必見!ZXYを活用し、移動・スキマ時間を“生産的な時間”に転換
ここからは、サテライトオフィスの事例をもとに、成果が出る運用ルールを解説していきます。導入したサテライトオフィスで企業の利益を最大限に引き上げるためにはどうしたらいいのか、以下を参考にしてみてください。
サテライトオフィスを設けるにあたって、まず決めなければならないのが対象者です。とはいえ、対象者を「全社員OK」にするのは好ましくありません。一見すると公平であるものの、実務で見ると目的が曖昧になり利用率が伸びにくくなります。
サテライトオフィスの成果が出やすいのは、目的に対して効果が出やすい層を先に定義する方法です。
例えば、営業・外勤は移動の合間に使うメリットが大きく、育児・介護等の事情がある人は通勤負荷軽減が利用につながります。
まずは少人数で始め、利用実績・効果・ルールの改善点を集めてから対象を広げることが現実的でしょう。
サテライトにおける利用ルールは、作り込むほど良いわけではなく、迷わず使えることが重要です。基本は「予約→入室→作業→退室」がスムーズに回るよう、フローを必要最低限に絞りましょう。
予約は、個室や会議室など埋まってしまいやすい設備だけを予約制にし、オープン席は先着での利用にするなど、混雑する部分だけを管理すると運用負荷が増えません。
会議については、サテライトは話し声や周囲の雑音などの問題が起きやすいため、Web会議はブース・個室優先、オープン席では短時間のみ等のガイドラインがあるとクレームが減ります。
なお、来客は原則不可(または指定拠点のみ可)にして、受付対応や情報管理のコストを抑えるのが一般的です。
セキュリティは「全部厳しく」ではなく、業務ごとの「機密レベル」で線引きすると運用しやすくなります。
まずは扱う情報を区分し、サテライトで可能な作業/不可な作業を定義しましょう。例えば、機密会議や個人情報を扱う業務は個室・専用回線が前提、オープン席は軽作業中心、などのように分けます。
端末は会社貸与を前提に、MDM(端末管理)やディスク暗号化、画面ロック、覗き見防止フィルムなど「持ち出し前提」の対策を考えましょう。VPNなどのアクセス制御で社内システムへの接続を管理し、Wi-Fiは業務用とゲスト用を分けるのが基本です。
入退室はICやアプリでログが残る仕組みを採用し、誰がいつ利用したかを明確にできるようにしましょう。
サテライトオフィスで成果が出る企業は「どこで働くか」よりも「いつ・何のために集まるか」を重視します。「週1回はチームで同じ場所(本社でもサテライトでも)に集まる日を作る」「意思決定のフローや1on1の頻度を調整する」などのように明確にしていることが多いです。
また、情報共有や進捗確認はドキュメント・チャットなどで行い、会議は意思決定を目的とすることで、オフィスが分散していても生産性が落ちません。
利用率を高めるにあたり、制度について説明したり、利用をお願いしたりするだけでは不十分です。利用率が高まる要因としては、「立地」と「動線」が挙げられます。
利用率が向上しやすい立地は「従業員の自宅から近い」「顧客訪問の経路上にある」「最寄り駅から近い」「雨の日でも行きやすい」など、日常の動線に乗る場所です。
逆に、サテライトオフィスまで行くための移動・負担が多い立地は、どんなに設備が良くても使われにくいのが現状です。
動線設計では、予約・入退室の負担、ネット接続の手間を減らすほど利用が増えます。アプリで一括予約・入退室管理ができるようにしたり、会議ブースの空き状況を見える化したりするなど、迷わないようにすることが重要です。

サテライトオフィスは、導入しても必ずしも成功するとは限らないものです。運用次第では、失敗してしまうことも珍しくありません。
ここからは、サテライトオフィスの失敗として多い事例をもとに、落とし穴や改善策について解説します。
立地選定の失敗は「駅から遠い」などの分かりやすい不便さだけではありません。典型的なのは、対象者の生活動線や業務の動線にないエリアを選んでしまうケースです。
たとえば、通勤負荷の軽減が目的にも関わらず、結局本社に近い場所にサテライトオフィスを置いてしまい、移動負担が減らないといった失敗事例があります。
他にも、営業効率が目的なのに、顧客エリアと逆方向のエリアを選んでしまい意味がないケースも少なくありません。
また、集中して作業することを目的としているのに、周辺環境が騒がしく、ブース不足で結局オンライン会議ができないといった失敗事例もあります。
上記を回避するためにも、「誰が」「いつ」「どの移動の途中で」使うかを先に明確にして、候補地を絞りましょう。
導入前に、対象者の居住エリア・訪問先エリア・主要駅の乗換なども可視化し、最低限の設備(個室数、ネット品質、周辺環境)を満たす立地だけを選ぶと、利用率が落ちにくくなります。
サテライトオフィスは、目的が曖昧なまま導入しても、「便利そうな場所」として認識されるだけとなり、結局使われないといった事態に陥ってしまいます。なぜなら、従業員が「使って良い場面」「使うことで改善できる問題」をイメージできないからです。
回避策としては、まず目的を1~2個に絞り、対象者と利用シーンをセットで明確にすることが挙げられます。
「外勤の移動時間を削減する」「育児・介護者の就業継続を支援する」「集中作業と機密会議の場を提供する」など、利用シーンが具体的な目的に落とすと、ルールも拠点設備も迷いません。
ルールの不備は、利用する従業員が混乱してしまい、結局サテライトオフィスの利用につながらないといった事態に陥ってしまいます。
たとえば、会議室や個室が不足しているのに「Web会議OK」だけが先に広まり、結果としてサテライトが会議だらけになってしまうことがあります。これでは、集中するための作業環境としては成立しなくなってしまうでしょう。
そのため、従業員の混雑が起きるポイントを管理することが重要です。たとえば「個室・会議室だけ予約」「オープン席は先着」「Web会議はブース優先」「長時間占有を制限」など、最低限の制約でルールを作ります。
また、運用担当の負荷を増やさずに回すには、特別扱いのような例外処理を作らない設計も重要です。
サテライトオフィスの失敗要因としてありがちなのが、KPIを設定していないことです。導入直後は話題性で一定の利用が出ても、効果が可視化されないと、コストに対する説明ができず、更新・拡大・縮小の判断が感覚的なものになってしまいます。
さらに、目的が複数だと「何が達成できたら成功か」が曖昧になり、関係者の納得も得にくくなります。
そのため、サテライトオフィスを設置するのであれば、目的をもとにKPIを設定しましょう。以下が例として挙げられます。
◆営業効率の向上が目的
◆通勤の負担軽減が目的
◆生産性の向上が目的
あわせて、利用ログ(誰が、どこで、どれだけ使ったか)を取得して、利用率が伸びない場合に「立地」「席種」「ルール」「対象者」のどこを変えるべきか検証できる状態にすると、継続の判断がより正確になるでしょう。

サテライトオフィスの導入を進めるためには、稟議や社内説明が必要です。とはいえ、目的が漠然としていたり、情報が不十分であったりすると、関係者の承認を得ることはできません。
また、仮に導入できても、従業員にサテライトオフィスを利用してもらえないといった事態にも陥ってしまいます。
ここからは、稟議・社内説明を進めるためのポイントを解説します。
社内説明では、最初から「サテライトを導入したい」という希望から入らず、課題→目的→施策→評価の順で説明を進めていくことで、納得してもらいやすくなります。
以下のようなイメージで説明の準備をしてみるといいでしょう。
営業の移動時間削減(効率化型)の場合
通勤負荷軽減(人材定着型)の場合
BCP(継続性型)の場合
ポイントは、効果を「定量(時間・回数・比率)」と「定性(満足度・安心感)」に分け、定量を優先して置くことです。
稟議で出やすい反対はだいたい固定です。先回りして、短く答えられる形にしておくと議論が収束します。
反対意見:「コストが増えるのでは?」
回答:
固定費を増やす前提ではなく、まずは外部拠点で従量課金・期間限定のPoCから始めます。効果は移動時間削減や残業平準化などKPIで測り、基準未達なら縮小・撤退が可能です。コストは予算の上限を設定して運用します。
反対意見:「管理が大変なのでは?」
回答:
管理を増やさない設計にします。予約は個室のみ、席は原状回復、問い合わせ窓口は一本化の予定です。端末・ネットワークは既存ルールに合わせ、例外の運用を作りません。運用負荷はPoCで測り、業務フローも同時に改善します。
反対意見:「公平性が担保できない(使える人だけ得をする)のでは?」
回答:
公平性は全員同じではなく、目的に対して合理的か否かで判断します。対象は業務の要件(外勤・機密会議・長距離通勤等)で定義し、チーム単位で適用します。利用実績はログで可視化し、対象範囲は効果と負荷を見て段階的に拡大していきます。
反対意見:「セキュリティ面に不安がある」
回答:
業務をどの程度機密であるかで線引きし、使えるか否かは機密関連の要件を満たす場合に限定します。端末は会社貸与、VPN・認証・ログ取得は既存ポリシー準拠します。印刷は原則禁止で対応します。」
上記の回答内容一例であるため、自社の環境に合わせて、随時変更しながら活用してみてください。

サテライトオフィスの導入について、承認を得るために必要なのは、「働く場所」ではなく「業務の詰まり」の特定です。誰が困っているのか、業務は何が詰まっているのか、どれくらいの頻度で発生するのかを整理しましょう。
以下のような項目をもとにすると、より稟議に向けて情報を整理しやすくなります。
上記の項目が曖昧であると、後の拠点選定の基準が漠然としてしまうため注意しましょう。
サテライトオフィスの導入に向け、とくに重要なのが「どのように効果を測るのか」「何を基準に継続可否を判断するのか」です。
それぞれは、KPIと利用ログを活用することで、判断しやすくなります。
たとえば、利用実態として、利用者数や利用頻度、席種別の稼働状況などのほか、成果として目的に紐づくKPIをチェックするようにしましょう。
また、問い合わせ件数やトラブル件数、情シス・総務工数などの運用負荷などもチェック対象とすることがおすすめです。
これにより、以下のように判断基準を明確にできます。
拡大を判断すべきケース:利用が安定しKPI改善が見られる
縮小を判断すべきケース:一部のエリアのみ使われている
撤退を検討すべきケース:利用が伸びずKPI改善がない
稟議を有利に進めるために必要なのは、撤退条件が明確であることです。続ける前提ではなく、検証して意思決定する設計だと、関係者にも納得してもらいやすくなります。
サテライトオフィスを導入するにあたり、悩みやすいのが「そもそもどこに設置すればいいのか」ではないでしょうか。
そんなお悩みを抱える方におすすめしたいのが、「富士宮市」です。ここからは、富士宮市にサテライトオフィスを設置することがベストであるといえる理由を解説します。
富士宮市は、サテライトオフィスの設置や移住を検討する方への支援制度・相談窓口が充実している地域です。サテライトオフィスの設置場所から、設置費用、他の産業との連携に至るまでサポートが手厚い点が魅力といえます。
また、富士宮市は地方でありながらも、関西圏・首都圏の両方とのアクセスの良さも魅力です。そのため、「主要都市に本社を設置し、地方にサテライトオフィスを設ける」といった運用がしやすいでしょう。
ちなみに、富士宮市はあらゆる産業が発展しているだけでなく、資源も豊富な地域として知られています。「食」「地方文化」「街おこし・地方創生」などのビジネスとも相性が良いため、事業展開を検討している方はぜひ、富士宮市へのサテライトオフィス設置を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
【富士宮サテライトオフィス】
窓口 :富士宮市 産業振興部 商工振興課
電話番号:0544-22-1154
公式HP :https://fujinomiya-so.com/
富士宮市には、アクセスの良い場所にコワーキングスペースがあります。会議室や各種ブース、作業スペースなど設備が充実している他、書籍や資料、カフェスペースなど、オン・オフ両方で活用できる環境が整っています。
サテライトオフィスと比べ、小規模でも利用しやすいため「まずは地方でスモールスタートして検討したい」といった方にも注目されています。
地元企業との交流会など、ビジネスチャンスも多いコワーキングスペースであるため、他社との連携も視野に入れて事業を展開したい方はチェックしてみてください。

【Connected Studio i/HUB】
住所 :静岡県富士宮市大宮町31 澤田ビル1F/2F
営業時間:9:00~18:00(月額会員は24時間利用可能)
休業日 :土曜日・日曜日・祝日・その他
電話番号:0544-66-6880
公式HP :https://connectedstudioihub.com/access/
今回はサテライトオフィスに関する事例や、事例をもとにした運用ルールなどについて解説しました。サテライトオフィスは、新たに設けるだけでは成功するとは言い切れません。目的を明確にしたうえで導入し、自社にマッチするスタイルで運用することが重要です。
そのためにも、他社の成功事例を確認したうえで、運用の方向性やフローなどを明確にする必要があります。
ぜひ、今回ご紹介した事例を参考にしながら、自社でどのように導入・運用できるかを考えてみてはいかがでしょうか。
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