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静岡県での起業を考えている方が増えてきているのをご存じでしょうか。静岡県は首都圏・中京圏のどちらにもアクセスしやすく、製造業や観光、農林水産業など多様な産業が集まっているため、ビジネスの種を見つけやすいエリアといえます。
とはいえ、「どんな支援制度があるのか」「どこまでお金のサポートを受けられるのか」が分からないと、一歩を踏み出しづらいものでしょう。
そこで、本記事では、静岡県で起業するメリットに加え、2026年にチェックしておきたい主な補助金・助成金のポイントを詳しく解説していきます。

そもそも、なぜ静岡県で起業が注目されるようになったのか、ご存じでしょうか。
静岡県は東京と名古屋のちょうど中間に位置し、交通インフラが整っています。そのため、首都圏・中京圏の両方とビジネスしやすい立地なのです。
また、静岡県には自動車や楽器、精密機械などの製造業のほか、お茶やみかん、水産物などの産業、観光関連まで、幅広い産業が集まっています。この「産業の幅広さ」は、静岡県内の企業との連携や、地域資源を生かした新規事業を生み出しやすさに繋がっているのです。
近年は、上記のような背景から、県や市・町、支援団体による起業・スタートアップ支援が増えている傾向にあります。資金面の支援を受けられるケースもあり、静岡は今「起業しやすいエリア」として注目されているのです。

ここからは、静岡県で起業するメリットについて解説します。
静岡県ならではのメリットを中心に触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。
静岡県は、東海道新幹線や東名高速・新東名高速道路などで、首都圏や中京圏にアクセスしやすいのがメリットです。実際、東京・神奈川方面や、愛知・岐阜方面の両方へスムーズにアクセスできる立地にあります。
そのため、営業・商談は都市圏、開発やバックオフィスは静岡といったように、分散させた事業運営がしやすくなるでしょう。
「重要な打ち合わせは対面で行いたい」というニーズにも応えやすく、「必要なときにすぐ行き来できる距離」に拠点を構えることはビジネスチャンスにもつながります。日帰りでの出張もしやすく、時間やコスト、担当者の負担などを軽減でき、さまざまな面でメリットといえるでしょう。
静岡県は立地的に、物流面で有利な点が特徴です。高速道路だけではなく、港湾や空港も利用できるため、国内外への輸送ルートを組み立てやすいといったメリットがあります。
EC事業やメーカー、卸売業など、商品や部材の出荷が多いビジネスでは、「どれだけ早く・安く・安定して届けられるか」が競争力にも関わります。静岡に倉庫や物流拠点を置くことで、東日本・西日本の両方に効率よく配送できるため、在庫を拠点として出荷物を集約したり、配送時間の短縮にもつなげられるでしょう。
地震や台風、感染症の拡大など、事業継続に影響を及ぼすリスクは多岐にわたります。静岡県に拠点を持つことで、首都圏一本足打法から脱却でき、BCP(事業継続計画)の観点でもリスク分散を図ることができます。
実際、本社機能は東京に置きつつ、開発チームやカスタマーサポート、コールセンターなどを静岡に配置する企業も増えています。起業の段階から、将来的な多拠点化を見据えて静岡を「サテライト拠点」「バックアップ拠点」とすることで、災害時や交通麻痺の際にも事業を止めにくい体制を構築しやすくなります。
静岡県は、自動車関連、機械、電気・電子部品、楽器、食品加工など、全国有数の製造業集積地域として知られています。ものづくり企業が多いことで、部品調達先や協力工場、試作をお願いできるパートナーを見つけやすく、ハードウェア系スタートアップやD2Cブランドにとって有利な環境が整っているのです。
また、経験豊富な技術者や現場の知見を持つシニア人材も多く、製造プロセスの設計や品質管理など、起業家だけでは補いにくい領域をサポートしてもらえる可能性があります。IoTやロボット、DXといったテーマで既存製造業の課題解決に挑むスタートアップにとっても、環境面に恵まれたエリアといえます。
静岡県内には、総合大学や理工系学部を有する大学、工業系・IT系の専門学校など、技術人材を育成する教育機関が複数存在しています。県内で学ぶ学生にとって、地元企業やスタートアップでインターンやアルバイトを行い、そのまま就職・共同創業につながるケースも期待できるのです。
そのため、起業家にとっては、新卒・第二新卒のエンジニアやデザイナー、研究開発人材を地元で採用しやすい点が大きなメリットでしょう。また、大学との共同研究や産学連携プロジェクトとして技術検証を進められる可能性もあります。

静岡県で起業するにあたり、知っておきたいのが活用できる補助金や助成金の存在です。
ここからは、静岡県での起業で使える補助金・助成金について解説します。
しずおか夢起業支援事業とは、静岡における「地域課題」の解決を目的とした起業家に向けて、支援金を助成する事業です。上限額は200万円とされていて、補助率は2分の1とされています。
対象の事業としては、AIやIoTを活用した社会システムづくりや、事業承継に関するものなど、一定の条件があります。そのほか、保険や医療、災害対策などの領域でも支援金を受給できる場合があるため、興味があれば一度相談してみましょう。
「藤枝市オフィス等立地推進事業費補助金」は、上限金額を144万円として設けられている補助金制度です。本社機能や情報通信業などを静岡県藤枝市に移転することを目的としている企業に向けて支援しています。
ただし、産業振興や産業基盤を強化することを目的とした補助金であるため、必ずしもすべての事業で活用できるわけではありません。
また、もともと「藤枝市オフィス等立地推進事業費補助金」は、市内のテレワーク施設を拠点とすることが前提であり、そのうえで事業拡大を目指す企業に支援を行っています。
そのため、静岡県内に拠点を設けたいと考えている方におすすめの補助金といえます。
「浜松市はじめよう浜ライフ助成事業費補助金(移住・就業支援金)」は、東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)から浜松市に移住して、就業・起業・テレワーク等を行う方に支給される移住支援金です。
支給額は、単身での移住が60万円、2人以上の世帯での移住が100万円となっており、さらに18歳未満の子どもを帯同して移住する場合には、子ども1人につき100万円が加算されます。
「起業」で利用する場合は、静岡県が実施する「地域創生起業支援事業」の起業支援金の交付決定を受けた方が対象となる枠が用意されており、地域課題解決型のビジネスで浜松に移住・創業する人にとっては、県の起業支援金(最大200万円)と組み合わせてまとまった資金支援を受けられる可能性があります。
申請には、東京圏在住期間や移住後の居住・就業継続年数など細かな要件があり、申請前に浜松市への事前相談が必須とされています。
東京圏からのU・Iターン起業を考えている方にとって、生活基盤づくりと事業立ち上げを同時に後押ししてくれる心強い制度です。
静岡県ではさまざまな創業支援助成金を展開していますが、そのうちの一つとして「函南町商工会」が実施している支援金があります。函南町内で新たに創業または事業承継を行う方に対し、創業等に要する費用の一部を助成するもので、事業所の増改築・改修費、設備や備品(単価1万円以上)の購入費、販売促進費(広告宣伝費など)、法人設立時の登記費用(登録免許税・印紙税を除く)などが対象となります。
補助率は対象経費の2分の1以内、上限額は20万円とされています(令和7年度)。申請期間はその年度の7月中旬から翌年1月末までで、予算額に達した場合は期間内でも受付終了となる点に注意が必要です。
助成を受けるには、函南町が定める交付要綱に定められた要件をすべて満たす必要があり、特定創業支援事業の「創業セミナー」修了、町内に主たる事業所を設置すること、税金の滞納がないこと、必要な許認可の取得、公序良俗に反しない事業であることなどが条件です。
同様の名称の「創業支援助成金」は他市町でも設けられている場合があるため、自分が創業を検討している市町の制度も合わせて確認しておくと良いでしょう。
「伊豆の国市特定創業支援事業」は、創業予定者や創業間もない方を対象に、経営・財務・人材育成・販路開拓といった基礎知識を学べる支援事業です。支援の一環として、伊豆の国市特有の創業等支援事業費補助金を提供しています。
創業塾修了などの要件を満たしたうえで、市内に事業所を構えて創業した場合、建物購入費、事業所の改修費、備品購入費、広告宣伝費、法人設立時の登記費用、システム経費などについて、2分の1(上限50万円)の補助を受けることができます。
さらに、伊豆の国市内で株式会社・合同会社を設立する際、登録免許税が通常の0.7%から0.35%に軽減され、最低税額も半額になる優遇を受けられるのが特徴です。

静岡県で起業するにあたり、「そもそもどのような業種・ビジネスが向いているのか」は気になるポイントではないでしょうか。ここからは、静岡県で起業したい方へ受けて、向いている業種やビジネスについて解説します。
静岡県は、富士山や伊豆半島、浜名湖、熱海・伊東など、国内外からの観光客に人気のスポットが多数あるため、観光やインバウンド関連の業種・ビジネスに向いています。
実際、温泉地や海・山のレジャーに加え、サイクリングやアウトドア、体験型観光など、のニーズに応える施設・サービスは広がっている状況です。
そのため、観光・インバウンド関連では、次のようなビジネスが立ち上げやすい分野だといえます。
既存の観光資源は豊富にありますが、「どう組み合わせ、どう伝えるか」はまだまだ工夫の余地があります。
地域の事業者と連携しながら、ストーリー性のある体験や、ニッチなテーマに特化したツアーを企画することで、独自性の高いビジネスをつくりやすい分野といえます。
静岡県といえば「お茶」「みかん」「わさび」「まぐろ」「しらす」など、全国的に知られた農産物・水産物が数多くあります。こうした「静岡ブランド」の食材を活用したビジネスは、県内外の消費者に対してアピールしやすく、起業のテーマとしても取り組みやすい領域です。
具体的には、次のようなビジネスが考えられます。
近年は、若い世代の就農・漁業参入や、都市部からの移住者による農業スタートアップも増えてきています。
生産そのものに参入するだけでなく、「デザインやブランディング」「EC・マーケティング」「レシピ開発」など、自分の得意分野を生かして一次産業と組み合わせる形で起業しやすいのも、静岡ならではの特徴です。
静岡県は、自動車関連、精密機械、電気・電子部品、楽器、食品加工など、製造業が盛んなエリアです。部品メーカーや加工業者、経験豊富な技術者がいるため、ハードウェア系スタートアップやものづくり系ビジネスを立ち上げやすい環境が整っています。
例えば、次のようなビジネスが考えられます。
大企業のサプライチェーンの中に入るだけでなく、「小ロット・多品種」に対応できる町工場とタッグを組み、スタートアップ的なスピード感で製品開発を進められるのが静岡の強みです。
プロダクト開発と並行して、試作品を地元企業に使ってもらい、フィードバックを得ながら改善していける点も大きなメリットといえます。
静岡県内の中小企業、観光事業者、農家・漁業者、医療・福祉施設などでは、「デジタル化したいが、何から始めればよいか分からない」という声が少なくありません。現場の課題に寄り添う形で、DXやサブスク型サービスを提供するビジネスは、今後ニーズが高まる分野です。
具体的には、次のようなビジネスモデルが考えられます。
月額課金のサブスク型ビジネスであれば、顧客側も初期費用を抑えつつ導入しやすく、事業者側も安定したストック収入を積み上げることができます。
静岡県は「リアルな現場」が多い地域だからこそ、現場をよく理解したうえでデジタルを組み合わせることで、他地域にも展開可能なソリューションへとスケールさせていきやすいエリアだといえます。

静岡県で起業するのであれば、活用できるサポートについて把握しておくことが重要です。助成金や補助金などだけではなく、静岡県ではさまざまなサポートが提供されています。コスト面や人材確保、拠点設置などの面で受けられるサポートが多いため、以下をチェックしてみてください。
富士宮市では、「富士のふもとのビジネスチャンス」を掲げて、サテライトオフィス等の誘致に力を入れています。市の公式サイト「富士宮サテライトオフィス」では、富士山麓の自然環境や生活環境の魅力、既に進出している企業の事例などを発信しながら、市外企業やスタートアップの進出をサポートしています。
また、富士宮市・商工会議所・商工会・信用金庫が連携して運営する「ビジネスコネクトふじのみや」という総合相談窓口が設置されており、サテライトオフィス開設に関する相談や、地元企業とのマッチング、進出後のフォローなど、ワンストップでのサポートを受けられます。
移住やオフィス整備に対する助成制度が用意されている年度もあり、条件を満たせば初期費用の負担を抑えながら拠点づくりを進めることができます。富士山の見える環境で働きたい方、首都圏とは違う場所にバックアップ拠点を持ちたい企業にとって選択肢のひとつとなるでしょう。
【富士宮サテライトオフィス】
窓口 :富士宮市 産業振興部 商工振興課
電話番号:0544-22-1154
公式HP :https://fujinomiya-so.com/
静岡県内には、起業家やフリーランスが使いやすいコワーキングスペースが増えています。たとえば、静岡市中心部にある「静岡市コ・クリエーションスペース」は、スタートアップ、既存企業、学生、行政など多様な人が集まり、セミナーやイベント、相談会などを通じて新しいビジネスを生み出す“共創の場”として運営されています。
菊川市の官民連携複合施設「EnGAWA」では、約40席のコワーキングエリアや集中ブース、会議室に加え、カフェスペースも併設されており、「職場でも自宅でもない、第3の拠点」として仕事や打ち合わせに活用できます。Wi-Fiや電源など、起業初期に必要な設備が整っているため、最初から自前のオフィスを構える必要がないのもメリットです。
さらに、富士宮市の「Connected Studio i/HUB」は、カフェのような落ち着いた空間の作業スペースや会議室、ドリンクバー等も設けられています。異業種交流も盛んであるため、ビジネスのヒントを得るチャンスもあるでしょう。

【Connected Studio i/HUB】
住所 :静岡県富士宮市大宮町31 澤田ビル1F/2F
営業時間:9:00~18:00(月額会員は24時間利用可能)
休業日 :土曜日・日曜日・祝日・その他
電話番号:0544-66-6880
公式HP :https://connectedstudioihub.com/access/
研究開発型やものづくり系のスタートアップを検討している方におすすめなのが、静岡県が設置している「創業者育成施設(インキュベートセンター)」です。静岡県は、沼津・富士・浜松都田の3カ所にインキュベートセンターを整備しており、創業予定者や創業5年未満の方に対して、研究開発・事業活動の場を安価で提供しています。
各施設は、県工業技術支援センター等に隣接しており、技術相談や試験・測定、製品開発に関する支援を受けやすいのが大きな特徴です。加えて、販路開拓や経営面の相談についても、県や関連機関の専門家からアドバイスを受けられる仕組みが用意されています。
入居対象は、製造業やソフトウェア業、情報処理サービス業など、技術開発力を活かしたビジネスを行う個人・法人で、事業計画書の審査など一定の要件を満たす必要がありますが、その分、本気で事業を伸ばしたい創業者にとっては、設備面・技術面・ネットワーク面のすべてで心強い環境といえます。研究開発型スタートアップやものづくり企業として静岡県で起業したい方は、早い段階でインキュベートセンターへの入居も検討してみてください。
実際に静岡県で起業する場合、どのような流れで進めていけばいいのでしょうか。
ここからは、静岡県で起業する際の一般的な流れについて解説します。
まずは、「静岡県で本当にニーズがあるのか」「どのエリアが自分のビジネスに合っているのか」を確かめるために、市場調査を行います。
上記のポイントを意識して、候補となる市町を比較してみるといいでしょう。
ただ、実際には、役所の産業振興課・商工課、商工会・商工会議所に相談して統計資料をもらったり、平日・休日に現地を歩いて人の流れや客層を観察したりすることも大切です。
なお、観光・インバウンド向けであれば、季節ごとの人出の変動もチェックしておくと、売上予測の精度が上がります。
市場のイメージがつかめたら、次は事業が成り立つかどうかを確認するために、収支計画を作成します。
各項目を洗い出し、「最低限どのくらい売り上げれば赤字にならないか(損益分岐点)」を把握しておくことが重要です。
静岡県の場合、首都圏と比べて家賃や人件費が抑えられる一方で、車移動が前提となるエリアも多く、車両費・ガソリン代・駐車場代などが必要になるケースもあります。静岡ならではのコスト構造も考慮しながら、現実的な数字で計画を立てることがポイントです。
収支計画と並行して、活用できる補助金や融資、支援制度を調べておくと、自己資金の負担を軽減できます。リサーチの段階での流れとしては、以下が一般的です。
補助金は「公募期間」が決まっていることが多いため、いつ申請し、いつ結果が出るのかも逆算してスケジュールを組んでおくと安心です。
事業内容、資金の目処、支援制度の方針が固まったら、いよいよ会社設立や各種手続きに進みます。形態としては、
株式会社や合同会社、個人事業主などさまざまな選択肢があるため、将来の事業規模や取引先の信用度、補助金・融資の条件などを考慮して決めましょう。
主に必要な手続きとしては、以下が挙げられます。
静岡県内では、よろず支援拠点のほか、商工会・商工会議所、税理士などの専門家が相談先になります。起業準備は手続きが多いため、「自分でやる部分」と「専門家に任せる部分」を分けながら進めていきましょう。
今回は、静岡県で起業を検討している方へ向けて、助成金・補助金の詳細や、活用できるサポートなどについて解説しました。近年は静岡県が起業場所として選ばれることが増え、起業家からも注目されているエリアです。
とくに、富士宮市は資源が豊富なうえに、サテライトオフィス・コワーキングスペースなど、企業に必要な相談窓口やコミュニティも豊富です。
ぜひ、富士宮市も視野に入れて、起業計画を立ててみてはいかがでしょうか。
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