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サテライトオフィスとは?会社が利用するメリット・デメリットや現代で求められている理由

近年、メディアで取り上げられることが増えてきた「サテライトオフィス」について、気になっている方は多いのではないでしょうか。サテライトオフィスは、リモートワークが普及してきた現代において、徐々に認知度・需要が高まりつつあるオフィスの形式です。

とはいえ、「そもそもどのようなオフィスなのか」が分からないと検討しにくいものでしょう。そこで、今回はサテライトオフィスの概要や、現代の会社が利用するメリット・デメリット、サテライトオフィスが求められている理由について解説します。

サテライトオフィスとは

 

サテライトオフィスとは、本拠地とは異なる場所に設置されたオフィスを指します。英語で衛星を意味する「satellite」から来た名称であり、本拠地を中心に衛星のように設置されていることから、サテライトオフィスと名づけられたと言われています。

サテライトオフィスは一般的に、中心となる本拠地から離れた場所に設置することが多い傾向です。自宅から本拠地までの距離が遠い社員であっても、サテライトオフィスの存在により通勤時間を短縮しつつ、出勤できるといったメリットがあります。

都心部はもちろんのこと、郊外や地方に至るまで、さまざまな場所にサテライトオフィスを設置できるため、従業員の柔軟な働き方にもつながるでしょう。

 

現代で「サテライトオフィス」の需要が増加している背景

 

現代でサテライトオフィスの需要が増加している背景には、「リモートワークの拡大」があります。

従来の会社のあり方といえば、本拠地や本社に従業員が出勤するのが一般的でした。しかし、リモートワークの普及により、「出社せずに仕事をすること」が注目されるようになったのです。

また、働き方改革の施行によって、柔軟な働き方も求められるようになりました。いずれにせよ、会社以外で働くことの選択肢が増えたことで、必然的に「サテライトオフィス」の選択肢も検討されるようになったのです。

とくに、「リモートワークに切り替えたものの家族がいて自宅では仕事がしにくい」「本社まで通勤するのは負担だが近隣にオフィスがあれば出勤したい」といった課題・要望のある社員は少なくありません。

上記のニーズに応えるオフィスの形式として、「サテライトオフィス」が今注目されるようになりました。

サテライトオフィスを利用するメリット5つ

 

サテライトオフィスを利用するにあたって、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、サテライトオフィスの設置によって得られるメリットを解説します。

 

1.中心となるオフィスを縮小してコスト削減ができる

 

サテライトオフィスを利用するメリットとして、まず挙げられるのがコスト面のメリットです。サテライトオフィスを設置することで、従業員の出勤先が分散されます。これに伴い、中心となる本拠地や本社などのオフィスを縮小させることができるのです。

オフィスの縮小はコスト削減につながる上に、仮にサテライトオフィスとして複数の拠点を設置してもオフィス用テナントを契約するよりも安価に済む傾向があります。

とくに、都心部に規模の大きいオフィスがある会社は、月々の契約コストが高額です。郊外や地方にサテライトオフィスを設置し、中心のオフィスを縮小することで、コスト削減につなげられるでしょう。

 

2.住んでいる場所を問わず優秀な人材を獲得できる

 

サテライトオフィスを設置するメリットの一つが「人材獲得で有利になること」です。都心部にしかオフィスがなく、出勤が前提の会社の場合、必然的に人材は都内やその周辺に住む人から募ることになります。

しかし、地方にも優秀な人材が存在することを踏まえると、都市部やその周辺のみから人材を募るのはもったいないのが現状です。

地方にサテライトオフィスを設置すれば、近隣に住む優秀な人材を募りやすくなり、結果的に会社の生産性やパフォーマンスの向上に期待できるといえるでしょう。

また、優秀な人材を獲得できるだけでなく、人手不足の解消も期待できます。都市部だけでは人材が集まらない場合、地方にも目を向けた人材獲得が会社に恩恵をもたらすといえそうです。

 

3.従業員の満足度向上につながる

 

サテライトオフィスを設置することで、従業員の満足度向上につながるといったメリットがあります。本社や本拠地までの通勤で、混雑があったり、移動時間が長かったりする従業員にとって、会社までの道のりはストレスになりやすいものです。

しかし、サテライトオフィスによって、移動時間の短縮や混雑を回避しやすくなれば、従業員の通勤時のストレスを軽減しやすくなるでしょう。結果的に従業員の満足度向上につなげやすくなるのです。

ちなみに、厚生労働省の調査によると、テレワークを導入した目的として、「従業員の通勤負担の軽減」と答えた企業が全体の約4割に及ぶとされています。

つまり、現代の会社の多くが、従業員における通勤の負担に課題を感じているということです。通勤の負担が改善できれば、従業員の満足度向上に寄与し、引いては従業員一人ひとりのパフォーマンスの向上も期待できます。

サテライトオフィスの導入は、まさに生産性の向上や売上の拡大など、会社にとってのメリットが大きくなることが期待できるといえるのです。

参考:令和2年度テレワークの労務管理に関する総合的実態調査研究事業報告書

 

4.ライフスタイルの変化に伴う離職を防げる

 

サテライトオフィスを導入することで、ライフスタイルの変化に伴う従業員の離職を防ぎやすくなります。たとえば、育児や介護を理由とした離職を防ぎやすくなるでしょう。

自宅近くにサテライトオフィスがあれば、移動時間を短縮して家庭での時間をより多く確保できます。育児や介護にあてる時間を増やすことができ、仕事との両立における負担も軽減しやすいでしょう。

また、「地方に移住してみたい」「事情により遠方に引っ越す必要がある」など、住居を変える従業員にも対応しやすくなります。従業員の転居先にサテライトオフィスがあれば、離職する必要がありません。住む場所が変わっても、これまで通りの業務をこなすことが可能です。

人手不足が叫ばれている今、企業としてできる限り離職を防ぐための選択肢として「サテライトオフィスの設置」は有効であるといえるでしょう。

 

5.BCP(事業継続計画)の対策になる

 

サテライトオフィスの設置は、「BCP(事業継続計画)対策」としても期待できます。BCPとは、緊急事態に陥ったときに事業を継続・推進したり、早期の復旧に努めたりするための計画です。主に、自然災害やテロ、火災、事故などが対象です。

とくに、自然災害の多い日本において、BCPの策定は重要といえます。実際、震災によって事業がストップしたり、倒産したりした会社は少なくありません。会社への影響を最小限にし、少しでも早く事業を復旧するための計画として、サテライトオフィスの設置は有効な選択肢なのです。

たとえば、本拠地しかオフィスがないと、仮にその拠点が大きな災害に見舞われた場合、必要なデータが消失するリスクがあるでしょう。また、本拠地が壊滅状態にあると、事業を進めることも、復旧することも難しくなります。

本拠地が深刻な影響を受けていても、サテライトオフィスが無事であれば作業場所の確保や、事業復旧のための取り組みを進める場所として活用できます。また、サテライトオフィスにも重要なデータを保管しておけば、全てのデータが消失してしまうリスクも回避できるでしょう。

 

サテライトオフィスを利用するデメリット

 

サテライトオフィスにはさまざまなメリットがあります。しかし、その一方で、デメリットも少なくありません。ここからは、サテライトオフィスを設置するにあたって、あらかじめ企業が知っておくべきデメリットを解説します。

 

コミュニケーションの課題が増える可能性がある

 

サテライトオフィスを利用するにあたって、デメリットとなるのが「コミュニケーションの課題が増えやすいこと」です。これまで、同じオフィス内で従業員同士がコミュニケーションを交わしていた会社であれば、とくに大きなデメリットです。

サテライトオフィスの設置によって、従業員の出勤先が分散してしまうため、従来のように顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が減少してしまいます。

社内でのコミュニケーションは、業務のミスの減少や円滑化のためにも重要です。また、従業員の帰属意識を高めることにもつながるため、コミュニケーション不足は会社にとって深刻な問題でしょう。

とはいえ、近年はオンラインビデオ会議ツールや、チャットツールなど、リアルタイムでコミュニケーションを交わせるサービス・ツールが充実しています。便利なコミュニケーションツールを活用しながら、これまで同様の円滑なコミュニケーションを交わせるように環境を整えましょう。

 

セキュリティ面を徹底する必要がある

 

サテライトオフィスを設置するデメリットの一つが、「セキュリティ面の徹底」です。自社の社員だけではなく、他の利用者もいるような共用型のサテライトオフィスの場合はとくに注意が必要です。

たとえば、デスクでパソコンを開いたまま従業員が離席した場合、パソコンの画面を第三者にのぞかれてしまうリスクがあります。

また、オンライン会議や電話のやりとりを他社に聞かれてしまい、情報漏洩につながる可能性があるのです。

そのため、サテライトオフィスを設置する場合は、従業員に対するセキュリティ面のルールを設けましょう。たとえば、「電話やオンライン会議は個室で行う」「離席する際には端末にロックをかける」などがおすすめです。

 

従業員の評価が難しくなる

 

サテライトオフィスを設置すると、従業員の評価が難しくなるといったデメリットがあります。評価する側が、評価される側と離れた拠点で働いていると、本人の働きぶりが見えにくくなってしまうのが難点です。

評価の基準が「成果」にフォーカスされてしまい、本人のポテンシャルや素質、仕事への向き合い方などが見えにくくなってしまうのです。

従業員の日々の働きぶりを把握するためにも、勤怠に関するレポートの提出を義務づけたり、日報を取り入れたりするなどの対応を検討してみましょう。

 

従業員一人ひとりの自己管理が求められる

 

サテライトオフィスを設置するにあたって、デメリットとして挙げられるのが「従業員の自己管理能力が求められること」です。

サテライトオフィスで働く従業員が他にいなかったり、仲の良い同僚のみが同じサテライトオフィスで働いていたりする環境であると、だらけてしまう従業員が現れるかもしれません。

上司や他の社員からの監視がなくなる分、どうしても気持ちを引き締めることが難しくなります。周囲の目がなくても、きちんと業務を進めるためには、自己管理能力が欠かせません。

自己管理能力が低いと、業務の進行に影響が生じてしまう上に、パフォーマンスの低下も招きます。そのため、サテライトオフィスを設置する際には、一人ひとりの自己管理能力を高めるための整備を整える必要があるでしょう。

具体的には、各業務に期日を設けたり、ストレスマネジメントの研修を実施したりすることが挙げられます。期日を決めることで本人の意識を業務に向けやすくするとともに、ストレスマネジメントによって精神的な安定を維持させることが重要です。

 

サテライトオフィスの代用「コワーキングスペース」の選択肢もアリ

 

サテライトオフィスが注目されている現代ですが、もう一つの選択肢として「コワーキングスペース」があります。サテライトオフィスと似ているものの、もっと気軽に利用できるのがコワーキングスペースの魅力です。

ここからは、コワーキングスペースの概要やメリットを簡単に解説します。

 

不特定多数が利用できる作業スペースが特徴

 

コワーキングスペースは、不特定多数が利用できるのが特徴です。仕事をするために利用している人のほか、読書のため、勉強のためなど、利用目的もさまざまです。コピー機や給茶機、文房具など設備が充実しているコワーキングスペースも多く、パソコン一台ですぐに仕事を始められるのがメリットです。

利用者同士でコミュニケーションが交わされることもあり、事業に関する新たなヒントを得られることもあります。従業員にとっても、会社にとっても思わぬチャンスを得られるかもしれません。

 

時間・1日単位での利用が可能

 

コワーキングスペースによっては、時間単位、1日単位での利用が可能です。サテライトオフィスは1か月契約のように一定期間の契約が必要なケースがほとんどです。しかし、時短勤務やフレックスタイム制などで、利用時間・利用日数が少ない場合は、利用時間に対する費用の負担が大きくなることも少なくありません。

コワーキングスペースであれば「使った分だけ」の支払いが可能であるため、無駄のないコストで利用できるのが魅力です。

また、月額でコワーキングスペースを契約しても、サテライトオフィスを契約するよりも安価な傾向にあります。そのため、コスト面で見てもコワーキングスペースのほうが優れているといえるでしょう。

 

富士宮市唯一のコワーキングスペース

 

富士宮市には、現在唯一のコワーキングスペースとして「Connected Studio i/HUB」がオープンしています。セキュリティ対策としてスマートロックが導入されているほか、個室ブースやフリー席など、快適に働ける環境が整っています。

費用は、ドロップイン(時間利用)であれば、1時間550円、3時間1,650円、1日2,200円と安価です。月額で契約する場合も1人22,000円~で利用できるため、利用スタイルに合わせてさまざまなプランが選べます。

サテライトオフィスとして新たな事業所を一から構えることが困難な場合は、コワーキングスペースを拠点とするのも一つの手段です。

本拠地以外に従業員の作業場所を確保したいと考えている方は、ぜひコワーキングスペースの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

 

【Connected Studio i/HUB】

住所  :静岡県富士宮市大宮町31 澤田ビル1F/2F
営業時間:9:00~18:00(月額会員は24時間利用可能)
休業日 :土曜日・日曜日・祝日・その他
電話番号:0544-66-6880
公式HP :https://connectedstudioihub.com/access/

 

まとめ|サテライトオフィスは現代企業におすすめ

 

近年注目を集めているサテライトオフィスは、現代の会社にマッチした働き方ができる場所です。従業員にとってもメリットが大きい上に、会社にとってもさまざまな利益をもたらします。

とはいえ、サテライトオフィスにはメリット・デメリットが存在するため、それぞれをよく理解した上で利用を検討することが大切です。

また、今回ご紹介したとおり、サテライトオフィスだけではなく「コワーキングスペース」といった選択肢もあります。自社に合う働き方のスタイルを見極め、予算や働き方などと照らし合わせながら、より自社に合うスタイルを探してみてはいかがでしょうか。